ハシビロコウの寿命
36年
長寿情報
推定43歳以上(伊豆シャボテン公園「ビル」♂)
ハシビロコウの生態&雑学
なぜ動かない
凶悪そうに見える鋭い目つき。にもかかわらず、頭のてっぺんには寝癖のような羽根があったりして、どこかユーモラスで憎めない鳥です。
さらにハシビロコウの人気を後押ししているのが、鳥なのにほとんど動かないというその生態。
それほどまでになぜ動かないといのかと言えば、川の中にすむ肺魚が時々呼吸をしに水面に上がってくるその瞬間をじっと待ち受けているからなのです。
魚なのに肺呼吸をする肺魚は、幼魚の頃はまだしも成魚になるとエラが退化してしまい、数時間に一度は大気中の酸素を吸い込まないとおぼれて死んでしまうと言われています。
なので、数時間に1度のその瞬間を逃すまいと狙いを定めているハシビロコウは、私達の目からはほとんど動かないように見えるのです。
見えるのですが。
たまにテレビ中継などで「こちらが動かないことで有名なハシビロコウです」と紹介しているそばから、羽根をバサバサさせたり、くちばしをカタカタとクラッキングさせたりで大暴れしていたりすると
ハシビロコウ先輩、ナイス!
などと思ってしまいます(笑)
絶滅危惧種に指定
1997年には1万2000~1万5000羽が生息していましたが、近年では生息地の環境破壊などによってその生息数は5000~8000羽と言われています(調査によって数値の増減あり)。
ワシントン条約では国際取引が規制されている希少種で、IUCNのレッドリストでは絶滅危惧II類(絶滅のおそれがある種)に指定されています。
名前の由来
ハシビロコウの名前は「くちばしの広いコウノトリ」に由来しています。
英語では「Shoebill」といい、これはShoe(靴)+bill(くちばし)の意味で、あの大きなくちばしからイメージして名付けられたようです。
性格は攻撃的
おっとりとした動きと、そこはかとなく漂うひょうきんな雰囲気から、きっと気立ての良いヤツに違いないと思いがちなのですが。
あの凶悪そうな目つきのほうが実は真実を語っている(かもしれない)ようで、なかなかに攻撃的な性格をしています。
そもそもが単独行動を好む縄張り意識の強い鳥なので、オスとメスとが仲良くするのすらかなりの難易度。
国内の動物園で繁殖例はまだなく、世界を見渡してみてもわずか2例という孤高っぷりです。
ハシビロコウの基本データ
科 – 目
コウノトリ目 – ハシビロコウ科
学名
Balaeniceps rex
英語名
Shoebill
漢字
ハシビロコウ:嘴広鸛
体長
約1.2メートル
生息地
アフリカ東部から中部にかけての湿地
希少種(レッドリスト)
絶滅危惧II類(VU)
(IUCN Red List Ver.2014.1)
ワシントン条約
附属書II