カバの寿命
約45年(野生)
約50年(飼育下)
出典:愛媛県立とべ動物園
長寿情報
・推定58歳(いしかわ動物園「デカ」)
・54歳(日立市かみね動物園「バシャン」♀)
・49歳(旭山動物園「ザブコ」)
カバの生態&雑学
生息地
カバはサハラ以南のアフリカ東部、中央部、南部などに生息しています。
1日のほとんどの時間を水の中で過ごす半水生の動物なので、生息地には必ず湖、川、沼などの水が必要です。
水の中にどっぷりと体を沈めて生活するため、水の深さは2メートル程度が理想的と言われていましたが、旭山動物園のカバ館では、深いところで水深3メートルにもなるプールの底をカバが軽やかに歩いて(飛んで?)います。
⇒Flying Hippopotamus~水中を跳ね回るカバ(旭山動物園 百吉) – YouTube
カバの赤い汗
カバは赤い汗を流すとよく言われます。「血の汗」などと表現されることもあって、何やら穏やかではありません。
しかしこれはまったくの誤解。
そもそもカバには汗を出すための汗腺がなく、かわってピンク色の粘液を体から出しています。
この粘液は、皮膚の乾燥や細菌の感染を防ぐほか、赤い色素が紫外線をさえぎるため、日焼け止めとしての効果もある優れものなのです。
1日の食事量
野生のカバは1日で40キロ前後の草を食べます。
40キロと聞くと多いように感じますが、カバの大きな体から考えると、それほどでもありません。
たとえばカバ(体重2トン)を60キロの人間に換算すると、1日あたりの食事量はわずか1200グラムとなり、人間より小食ということになります(ただし、カバは草しか食べないのに対して、人間は肉などを食べるので、単純に比較は出来ませんが)。
シッポで糞をまき散らす
カバの雄はシッポを左右にブルブルと激しく振って、フンやおしっこをまき散らす「まき糞(ふん)」をします。
これは周囲に自分のにおいをつけて、縄張りを示すための行動です。
陸上だけでなく、水中でもまき糞をします。そのため動物園のカバプールの水は、放っておくとフンですぐに濁ってしまいます。
カバの水中の姿が見られるようになっている動物園などでは、少しでも水をきれいに保つために強力な水の濾過装置を使ったり、フンを食べてくれる魚をプールに放すなどの工夫をこらしています。
怒らせると怖いカバ
どっしりとした体型とゆったりとした動きから、温厚にみえるカバ。基本的には大人しい性格なのですが、実は攻撃的な一面も持っています。
カバは縄張り意識が非常に強いため、自分の縄張りに侵入したものがいると、人間だろうと何だろうと見境なく襲ってきます。
噛む力が1トンにもなるカバは、体長3メートルのナイルワニですら軽々と投げ飛ばしてしまうと言われています。
アフリカでの野生動物による死亡事故は、そのほとんどがカバによるもので、地元ではとても怖れられている動物なのです。
人は見かけによらないといいますが、カバも見かけによらないということなのかもしれません。
カバの基本データ
目 – 科
偶蹄目 – カバ科
学名
Hippopotamus amphibius
英語名
Hippopotamus
漢字
カバ:河馬
体長
3.3~3.5メートル
希少種(レッドリスト)
絶滅危惧II類(VU)
(IUCN Red List Ver.2014.1)
ワシントン条約
附属書II